『木の十字架』
- 立誠図書館
- 7 分前
- 読了時間: 1分
著:堀辰雄
灯光舎
<立誠小学校DNAの本棚>
「灯光舎 本のともしび」シリーズの一冊。灯光舎は京都の小さな出版社で(住所を見ると我が家のご近所なのにいまだに見かけたことがないので、よほど小さいのだと思われます)、撰者の山本善行さんは銀閣寺の古本屋の主です。非常に渋いセレクトで通をうならせている(であろう)このシリーズ、今回ご紹介する巻は堀辰雄の初期の短篇を集めています。なかでも私のお気に入りは『旅の繪』。戦前の神戸が舞台で、フランス帰りの堀辰雄らしく、神戸のなかに小さな欧州(ユウハイムの硝子戸やショオウィンド、バルコン、冬の暗い海、佛蘭西の水兵のポンポン・ルウジュetc)を発見し、郷愁(?)に浸っている様子が印象的です。とくに劇的な出来事が起こるのでもなく、淡々と、しかし死の予感を孕みながら静かにシーンが移り変わります。格調高く物悲しい文章が独特の魅力を携えています。





コメント