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SPECIAL CONTENTS  Page.3 第5号 巻頭対談こぼれ話

甘党茶屋 京 梅園・店主

 西川   葵

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まいまい京都事務局スタッフ

柏原 卓之

京都の和菓子界に新風を吹き込む「甘党茶屋 京 梅園」三代目・西川葵さんと人気沸騰中の京都のミニツアー「まいまい京都」事務局スタッフとして日々京都を歩きまわる柏原卓之さんにオススメの京都まち歩きや立誠小学校についてお話をうかがいました。その対談のこぼれ​話をwebで特別公開いたします。

西川さんと柏原さんのハマりもの

―普段どこかへご飯を食べに行かれたりはしますか?

西川:私ね、最近ハマっているお店がありまして。三条の河合塾の向かい側にコインパーキングがあるんですけども、コインパーキングの奥へ入って行ったところ。

柏原:ええ、わかりますよ。奥になにかありますよね。

西川:あそこがとても美味しくって。山形の郷土料理の〈ふくや〉さんと言うお店なんですけども。実は、そもそも私はあの物件を気になって見ていたんですよ。立地が良くてアクセスも良くて、すごく心が奪われていて。でも、タイミング的に伊勢丹のオープンの時期に重なっていたのと、かなり手入れしないといけないと言う悩ましい物件でした。そこが生まれ変わっていて、どうなっているんだろうと言う好奇心で行ったんですけども、そこがとにかく美味しくって。結構気に入っています。

柏原:ランチですか?夜ですか?

西川:夜ですね。私朝、昼は食べないんですね。ナッツだけの日もあるし、キュウリだけの日もあるし。1品だけを食べると言うことがすごく多くって。夜だけご飯食べるんですけども。あと予約取れへんですけど〈ブランカ〉さん美味しいですね。あと〈ビストロボンモルソー〉さんって言うフレンチのお店なんですが、とっても美味しいですよ。あとは立ち飲み。お酒飲めないんですけど、〈柳小路TAKA〉さんというお店もよく行きます。私レバーがすごく好きなんですよ。

柏原:レバー!

西川:だから鶏のレバーがあるお店はよく行っちゃいますね。実は鉄分不足、貧血気味なんですよ。それで病院で鉄剤を処方されるんですが、鉄剤で満たすよりできたらちゃんとご飯からと思って、レバーで満たしてあげるって言うね。どこへ行かれますか?

柏原:僕はハマると、とことんハマるタイプなんですね。今は、クラフトビールにハマっています。まいまい京都でもクラフトビールのツアーと言うのをいくつかやらせていただいているんですけども。実は、京都はクラフトビールのまちでもあってすごく盛んなんです。よく行くのは京都五条楽園のあたりにある〈京都ビアラボ〉さん。〈京都ビアラボ〉さんは、

西川:お茶の……、

柏原:そう!お茶とのコラボもしているんですけども。何かね、クラフトビールが盛んなまちって、どこも美味しいんですよ。飲むと「あー、美味しい」ってなるんですけど、〈京都ビアラボ〉さんは「んん?!」って言う。それは不味いと言う意味ではなく、とっても攻めているんですよ。僕が衝撃的だったのは、《不意打ちサワー》と言う飲みやすくてスルスル飲めるビールです。ですが、ちょっと経ってからガツン!ってきて、酔いがまわるんですよ。錦市場の中にある〈スプリングバレーブルワリー〉さんも通っていますね。そこから少し下がったところに〈ビアパブICHI-YA〉さんと言う、〈一乗寺ブリュワリー〉さんがやっているビアホールもあります。そう言う京都ならではというところを回っています。そういうところってビールも美味しいんですけど、そこで出される料理もこだわりがあって美味しいんですよ。

西川:実は今〈京都ビアラボ〉さんからお仕事の話をいただいていているんですよ。

柏原:えー、そうなんですか!

西川:そうなんですよ!それを早くやりたいんですけども、今年は思いのほか伊勢丹の業務に追われていてまだ取り掛かれていないんですけども。

柏原:いやー、いいですねー。みなさんのそう言うつながり。〈京都ビアラボ〉の村岸さんにはとてもよくして頂いてます。もちろん作られるビールもファンなんですが、それ以上に人間的にファンですね。そういう人のいる所に僕は日頃から行きたいというか。梅園さんに行っていて西川さんとつながらせていただいて、よりファンになりましたし。

西川:〈京都ビアラボ〉さんのお仕事も頑張ります。忘れているわけではないんですけど、時々村岸さんとどこかでお会いした時に「忘れてるわけじゃないんですよ~」って。「大丈夫やで、ゆっくりで進めてくれはって」って言ってくださるんですが……。

柏原:楽しみですね!

気になるお菓子やペアリングの魅力

―柏原さんが企画され、西川さんと立誠図書館併設TRAVELING COFFEE店主・牧野さんがガイドを務めたまいまい京都のツアー「甘味処三代目と珈琲マスターが贈る☆和菓子とコーヒーの極上マリアージュ」では和菓子とコーヒーのペアリングを提案され好評だったとうかがいました。今後さらに和菓子で挑戦したいことはありますか?

西川:コーヒーに和菓子を合わせるという話ですと、まだ食べていないのに言うのはあれですけども、〈都松庵〉さんの《YOKAN FOR COFFEE》という羊羹がすごく気になっているんですよ。梅園は自家製餡なんですけども、シーズンによっては足りないものを〈山梨製餡〉さんに炊いてもらっているんです。京都は本当に製餡所の文化で、和菓子屋さんとかも結構製餡所さんに餡子を炊いてもらっているんですね。それぞれの和菓子屋さんのためにそれぞれ餡子を作るという文化があって。うちも餡子をお願いしている〈山梨製餡〉さんの親戚がやっているのが〈都松庵〉さんなんです。私の友達と言わせてもらっていいのかな?サノワタルさんというデザイナーさんがパッケージデザインをされていてすごくいいんですよ。

柏原:もうすでに売られていますか?

西川:はい。本当に最近出たばかりですよ。梅園は餡子屋さんじゃないので作れないタイプのお菓子で、「こういったものがあればいいな」と思い続けていたものを〈都松庵〉さんは作っておられたんです。みなさんも召し上がられて見てくださるといいと思います。

柏原:気になりますね!

西川:パッケージが、コーヒーを置いた時のシミみたいなものでデザインされていて。

柏原:これは僕、帰りに寄って帰らないと!

西川:これ気になりますよね。絶対美味しいと思います。それと通常の羊羹より多く餡子を使ったという《135%YOKAN》なんかも、「こういうことを餡子屋さんがやってくれたらいいな」と言うことをしてくださっていて、良いなって思うんです。餡子ってカカオと同じくらい、いろいろな可能性を秘めているのに、まだそこに切り込んでいかれる機会が少ないというか。和菓子がカカオほどの集客ができない部分がまだあって残念ですよね。

柏原:カカオはすごくありますよね。〈都松庵〉さんって、堀川通ですよね?三条会商店街に入る近く。

西川:そうです。サノさんのデザインを元にリニューアルしはったんですよね。私はリニューアルの前から本当にお菓子が美味しいと思っていたのでオススメです。

柏原:僕の活動のコンセプトというのは、常に面白いことができたら良いなと言うのがあるんです。その、面白いことと言うのは、面白い人がいることが大切なんですね。僕がこれまで活動してきたコンセプトとまいまい京都に関わってからのコンセプトって近いものがあったんで採用されたのかなと言う部分があって。まち歩きと言うと、まちの魅力があるところに誰か案内する人を見つけてきてまちの魅力を発信すると思われがちです。まいまい京都は少し特殊で、人ありきなんです。どんなに面白い場所でも、面白い人がいないとツアーしないですよ。なので、前回開催したまいまいのツアー(「甘味処三代目と珈琲マスターが贈る☆和菓子とコーヒーの極上マリアージュ」)では西川さんとTRAVELING COFFEEの牧野さんがそろったところで、お菓子とコーヒーのペアリングの魅力を発信したら面白いんじゃないか思ったんです。裏話とかアナザーストーリーと言うか、西川さんと牧野さんのこと、実際にペアリングしてみてそこからお口の中で生まれることとかが面白いなと思ったんで、お願いしたんですよ。

西川:そうなんですね。面白かったかな?と言う少し不安もありました。

柏原:企画するときに、基本その人のファンだというところがベースにはあるですけども、やっぱりそういう新しいものを作り出していくところが面白いですよ。梅園さんは新しいお菓子作りで挑戦されていますし。

西川:そうですね。

柏原:梅園といえば《みたらし団子》ですが、それだけじゃなくて。いろいろなお菓子のプレートにしても、季節によってのっているものが違うだとか。もしかするとイマイチだと思う方もいるかもしれないんです。でも、それも含めて面白いというか。完成し尽くされているものって、なんか面白くないんですよね。まいまい京都では和菓子と日本酒をやろうと思っていて、いくつかまわったりもしました。

西川:日本酒も合わせてみたいですね。

柏原:あ、合わせてみたいですか。なんかねコーヒーの時も、当日までマキノさんの頭の中にある「このお菓子には、このコーヒー」みたいな考えを、それをその場で皆さんと試しながら共有できたんですよね。そういう幅のある、遊びのある部分が面白いと僕は思っているんです。

西川:和菓子と日本酒のお店ってあってもいいなって思います。

柏原:実はまいまいの11月のツアーで紫野にある〈喫茶狐菴〉さんと企画をしていまして。普段から京都のお菓子と京都の日本酒のペアリングを提案されているのですが、そう言うツアー考えているところなんです。なんかそうやって合わせると面白いですよね。

西川:面白いと思います。和菓子と、日本酒じゃなくても、ビールでも良いですし、そう言うお店がもっとあっても良いと思うんですよね。

柏原:ですよね。他に、西川さんはこんなことやってみたいと言うことはありますか?

西川:いろんな和菓子が食べられるお店があっても良いのではないか、と言うのはありますね。

柏原:和菓子のセレクトショップと言うことですね?

西川:そうです。〈DEAN&DELUCA〉さんがケーキのセレクトをされているような感じで。そう言うのは洋菓子屋さんはあるじゃないですか。でも、あれは持って帰って食べないといけないけど……。

柏原:あー、なるほど。店舗で食べるお店。

西川:そうです。そんなお店があっても良いんじゃないかなって。うちだけの力じゃ何もできないですけども。

柏原:ちなみに小豆って旬というか、新小豆というものはあるんですか?その年の小豆みたいな。

西川:新小豆は……、あると思うんですけど……、切り替わる時期を意識したことはありませんでした。調べてみますね。

柏原:実は去年チョコレート屋さんの〈Dari K〉さんと、ボジョレーの解禁日に合わせて、その年に取れたカカオ、ボジョレーカカオと言うんですかね。それをペアリングしたんですね。それがちょっとした幸せを生んだと言うか。それで気になったんです、小豆でも新小豆ってあるのかなって。「これは新小豆で作りました」みたいなのがあったら面白いんじゃないかなと思って。

西川:収穫の時期自体が秋で、新小豆は10月ごろ……?

柏原:なるほど。

西川:そういえば「台風の影響で小豆の収穫が大変なんで手伝いに行ってきます」と〈山梨製餡〉さんが言っていたのが秋でしたね。思い出しました。

柏原:もしかしたら「新小豆のぜんざい」とか、「新小豆のなになに」みたいなものが出てくるかも?

西川:年間を通していつとか感じさせることが今までなかったですね。そういえば、時々ひねの小豆と言って、前の年の小豆が突然出てくるんですけども。それはどのタイミングなんやろ?小豆の季節と言う発想はなかったです。

柏原:次は新小豆を使った何かがあったら面白いかもしれませんね。そして新小豆と新米をとか、新米のお酒と合わせてみたりと言うのもやってみたいですね。

【西川葵 Aoi Nishikawa】

「甘党茶屋 京 梅園」三代目。京都出身。甘党茶屋 梅園(河原町店、清水店、三条店)、うめぞのCAFE&GALLERY、うめぞの茶房、梅園 oyatsu(JR京都伊勢丹店)に加え製造工場2箇所、合計8箇所を切り盛りする。まいまい京都では「甘味処三代目と珈琲マスターが贈る☆和菓子とコーヒーの極上マリアージュ」にて立誠図書館併設TRAVELING COFFEE店主の牧野さんとともに和菓子とコーヒーの新提案や様々なコラボレーションで和菓子の可能性を日々模索中。

 

【柏原卓之 Takuyuki Kashihara】

京都の住人がガイドする京都のミニツアー「まいまい京都」事務局スタッフ。FMよみたん京都支局⻑。ラジオDJ・パーソナリティー。静岡県出身。まいまい京都では西川さんやTRAVELING COFFEE店主の牧野さんとの企画の他、様々なツアーを企画。だんご・お餅を食べるために白飯を抜くなど、大のお餅ファン。