『宙わたる教室』
- 立誠図書館
- 8月31日
- 読了時間: 1分
著:伊予原 新
文藝春秋
<世界の入口となる本棚>
実在する定時制高校の科学部に活動にインスパイアされ、理学部卒の著者が創り出したフィクションだ。今の日本、科学や教育が先の見通しを持って大切に育まれていられるかというと、そうは思えないところもある。本書でも、たとえ進学して科学を学んでもその先に未来はあるか、若者に過大な夢を持たせないほうがいいと憂うシーンがある。たしかにそうだ。その一方で、「自分の将来を、一本道のように見通せる人はいません」という言葉も心に残る。いつになっても学ぶことはできるし、人との出会いで人生は変わる。先のことなんてわからないし、その時その時を懸命に生きることの尊さがここにはある。

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