斎藤真理子
創元社
<世界の入口となる本棚>
韓国文学の翻訳家である筆者によって、韓国語について、その成り立ちや背景、日本語との違いなどが書かれた、心やさしく深く鋭い本です。各章が「マル(言葉)」「クル(文字)」「ソリ(声)」「シ(詩)」「サイ(あいだ)」と付けられ展開していく流れがとても良かった。自分の語彙力の乏しさに唖然としますが、とても良かったです。韓国ドラマを見ていると、日本では考えられないくらいに普通の人々が日常的に詩を読む姿がたびたび登場しますが、その理由がわかりました。「マル(話されたこと)とクル(書かれたこと)の核にソリ(思い)があるというイメージを持って、ソリに近づきたい」という一文からも、日本語と韓国語のあいだを行き来しながら翻訳を続ける著者の強い思いが伝わってきます。韓国、韓国語、韓国のエンタメが気になる方々、必読です!


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