著:ジェイソン・ヒッケル
東洋経済新報社
< <世界の入口となる本棚>
永続的な成長を前提とする現代資本主義を批判する経済書でありながら、哲学や文化人類学を織り交ぜながら提言を行っている点がユニークな本書。私たちが生きている社会がいかに搾取に基づいて築き上げられたものであるか?を、教会や資本家がデカルトの「二元論」を都合良く解釈することで植民地支配へと繋げていった道筋とともに明快に示しており、読み進めるごとに心がズタズタに折れます。著者は「資本主義の次に来る(べき)世界」を実現するための方策について勇気をもって語っていますが、その世界に近づくために私たちは、相当な意識変革の覚悟を決めなければならないでしょう。

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