著:野田浩資
誠文堂新光社
<アートの本棚>
日本におけるドイツ料理の大御所であり、音楽通でもある著者ならではの視点で、作曲家がどのような食事を好んでいたのか?を解説した本書。今回は本書に載っていない私の好きなエピソードを紹介します。リヒャルト·シュトラウスが自作の曲をウィーン·フィルとリハーサルしている最中のできごと。その日のコンサートマスターはウィーンでも有名なワイナリーの一族で、シュトラウスはそのワインが大のお気に入りでした。コンサートマスターが素晴らしいソロを弾き終えたあと、シュトラウスは指揮を止め突然こう叫びました。「そういえば君んとこのワインを切らしてしまったんだった!またよろしく頼む!」

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