著:森見登美彦
小学館
<京都歩きの本棚>
当図書館の「京都歩き」というカテゴリーに分類されている小説ですが、京都・鞍馬から始まり、尾道など各地の夜と朝を旅する物語です。鞍馬の火祭りに出かけた学生たち、その中の一人が、突然と姿を消す。「世界はつねに夜なのよ」とつぶやく彼女はどこへ行ったのか ――。何度も闇に吸い込まれそうな、ぞくっとする怖さを感じながら同時に先を読み進める手も止まりません。読み終えて、鞍馬の火祭りがちょうど読んでいる最中の10月22日に行われていたことを知って、再びぞくっとしました。知らない土地を旅する気分、異世界に迷い込んでしまうような気分を味わいたい方におすすめします。
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