著:ウルフ・スタルク
小峰書店
この『うそつきの口笛』にはとても素敵な短編がふたつ。どちらも作者であるスウェーデンの人気作家ウルフ・スタルクの自伝的色合いが強く、この少年がやがてこうなるのか!と考えると、とても勇気づけられます。実は私も作中にでてくるように、親のサインを真似して学校に出したことがあります。口は達者じゃなかったけれど小細工はしました。もちろん褒められることではないけれど、嘘も成長する過程の一つのような気がします。嘘と本当、作り話と本当の話、双方をいったりきたりする子どもの世界。はたこうしろうさんの洒落たイラストとともに、ぎゅっと抱きしめたくなる本です。
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