著:原田マハ
集英社
<アートの本棚>
本書はクロード·モネを中心に、オーギュスト·ルノアール、エドガー·ドガといった印象派の画家たちと、そのあとを受けてポスト印象派として活躍したポール·セザンヌを主人公とする、4篇からなる短編集です。どの作品も画家たちに寄り添った女性からの視点で描かれ、時代の巨匠たちのプライヴェートを垣間見るような趣きがあります。これらは史実に基づくフィクションとのことで、もちろん作者の創作が多分に含まれるのですが、フランス絵画の黄金時代の最後を飾る綺羅星のごとき画家たちを、あくまでも生身の人間としていきいきと描きだすことに成功しています。
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