著:原田マハ
集英社
<アートの本棚>
マティス、ピカソ、モネなどの作品をモチーフにした本作は、まさに隣で当時の会話を聞いていたかのように描き出された画家と家族、助手、パトロンとの日々。その日々は山あり谷ありですが、作中に現れる画家の周囲にいた人たちと一緒に作品の完成を喜び美しさに感動する気分でなんとも幸せな読書体験になりました。史実を参考に練り上げたとはいえ、この自然さは著者の人間愛、美術愛のなせる技なのか……。森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館、フリーキュレーターなどを経て2005年に作家デビューした経歴にも納得です。
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