著:細川亜衣
リトルモア
<食べる本棚>
そっけない書名は直球の愛の表現なのか、タイトルはずばり『野菜』。修業先のイタリアで野菜の虜となった著者によるレシピとエッセイが収録されています。私には日常飲むワインや時々飲む日本酒に一番合うのは野菜の類だという確信のようなものがありますが、本書に登場する「カルチョーフィの丸煮」や芋しか入っていない「おいものコロッケ」はキリリと冷えたイタリアの白ワインにぴったり合いそうだし、「なすの梅焼き」や「揚げごぼうの豆鼓炒め」があればいくらでも日本酒が進みそう。野菜が主役を張れるレシピの数々を眺めていると、料理したい気持ちがむくむくと湧き上がってくること請け合いです。
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