ラルフ・スケア
ガイアブックス
<アートの本棚>
ゴッホの作品といってパッと思いつくのは「ひまわり」や「星月夜」、自画像に代表される人物画など。ところがこの本に集められたのは「庭」。意外な感じがするが庭の絵もたくさん描かれている。読み進めていくと、精神的に不安定だったゴッホが庭を描いているときは気分が落ち着いていたことがわかる。原点ともいえる幼少期の牧師館の庭や療養院の庭など、愛情たっぷりに生き生きと描かれている。1890年6月、美しい庭で開かれた昼食会も和やかだったと同席した医師は語る。それでも1ヶ月後自ら死を選んだゴッホ。この美しい絵の向こうにどんな苦しみがあったのか。
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