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『シブヤで目覚めて』

  • 執筆者の写真: 立誠図書館
    立誠図書館
  • 4月18日
  • 読了時間: 1分

更新日:5月28日




著:アンナ・ツィマ

河出書房新社

<世界の入口となる本棚>


チェコは9世紀半ばに成立して以来じつに1000年以上にわたって波乱万丈の歴史をたどってきたので、チェコ人は自国の歴史や文化にとりわけ誇りを持っていることで知られています。しかし本書の著者アンナ・ツィマさんくらいの年代(1991年生まれ)になると、他国(彼女の場合は日本)への憧れのほうが強くなってきているのかもしれません。カレル大学で日本文学を学んだツィマさんの処女作である本書は、章ごとに舞台が渋谷とプラハを行き来する凝ったつくりで、これはまさに村上春樹『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』へのオマージュといえるでしょう。そこに大正文学者川下清丸のエピソードを挟みこむことで、時空を超える多層性をも表現しています。



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