著:エーリン・ぺーション
訳:ヘレンハルメ美穂
小学館
<世界の入口となる本棚>
この作品は、子どもひとりで逃げてきた難民児童たちが暮らすスウェーデンの施設が舞台。ほとんどがアフガニスタンの子どもたちです。ソーシャルワーカーとして実際にこのような施設で働いていたこともある著者のデビュー作で、ヤングアダルト(YA)向けに書かれていることもあり読みやすいです。施設で働く少女レベッカの視点で淡々と進む物語は、アフガンの男の子たちとの「明るい日々も、暗い日々も」描いていて、とてもリアリティがあって切ない。巻末の訳者あとがきがスウェーデンの難民事情を知る手がかりになります。YA書には、今を切り取った読みごたえのある作品がたくさんあるので、もっともっと読んでほしいなあと切実に思います。
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