著:辻仁成
マガジンハウス
<世界の入口となる本棚>
辻仁成という人にある種の先入観というか、読まず嫌いをしていたので、本書が初めて読んだ著作である。読んでみると有名人ではあるけれど特別でもなんでもなく、思春期の子と格闘する親であり、毎日をなんとか生きる人であった。フランスはパリ在住の父子の生活を描いたエッセイは、2018年からスタートし2022年息子くんが高校を卒業したところで終わっている。世界的に広がったコロナ禍が読者と作者の共通項となっているので、とても身近な話として読めてしまう。すっかり気分は辻氏のママ友、子が巣立ったあとをどう生きるか、今後の辻家の生活を見守りたいと思う心境だ。
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