著:小泉武夫
新潮社
<食べる本棚>
発酵学の第一人者としてお馴染みの小泉武夫さんが、ふとした縁で知り合ったマタギの「義っしゃん」をひとり訪ね、電気も引かれていない茨城の山深くでともに数日間を過ごします。表題のとおり義っしゃんは獲った猪肉を腐らせずに保存する知恵を身につけているほか、野兎の皮を剥ぐのも朝飯前、ドジョウを田んぼで越冬させたり、洞窟でどぶろくを密造したりと、なんでもひとりで器用にこなしてしまいます。義っしゃんと過ごした数日は小泉さんにとって驚きの連続であり、数々のアクシデントにも遭遇します。それにしても、毎晩二人で愉しむ自然の産物を中心とした献立の豊かさは、なんともうらやましい限り!
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