小山哲・藤原辰史
ミシマ社
<世界の入口となる本棚>
今年2月末ロシアがウクライナに侵攻、その状況は改善されず、戦争は長引いています。筆者の一人藤原辰史氏は冒頭で、歴史が繰り返してきた大きな問題として、日本のように戦場から離れた国に住む人々は「胸の痛み」が持続しないと述べています。どんなに悲劇を重ねても人間は忘れっぽく、歴史から学ぶことを嫌がるとも。だからといって、知ることをやめてしまったら、どうせ何もできないからといって関心を持たなくなってしまったら、世界が終わる前に、自分自身が終わってしまうような気がします。本書はタイトルにあるように、順を追って読んでいけば、中学生からでも理解できるよう丁寧にウクライナ情勢について書かれています。様々な情報に振り回されず、自分の頭で考えていけるように、ぜひ読んでみてください。
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