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執筆者の写真立誠図書館

『ニムロッド』

上田岳弘

講談社

〈新しい本棚〉


「この本が私たちの何を刺激するかな?」と考えた時に、毎日生きている中でモヤモヤと頭の中に漂う漠然とした不安が思い浮かびました。今の目標が達成した時にどうしようか?」とか「生きる意味は?」というようなモヤモヤする不安です。この小説には2つのモチーフがあり、飛行不可能な〈駄目な飛行機〉は意味がないようで私たちを生かす存在です。もうひとつのモチーフ、〈仮想通貨〉は対照的に無駄なものが削ぎ落とされた不安な未来を感じさせました。私たち自身や社会が未来に直面する、葛藤や悩みがこの小説には描かれているかもしれません。

(栗山)



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